24 September 2020
2020年9月11日、日本と英国は日英包括的経済連携協定(日英EPA)に大筋合意しました。英国にとってはブレグジット後初の貿易協定合意となり、来年1月1日の発効を予定しています。
両国の交渉は、今年12月31日のブレグジット移行期間終了が秒読みとなった今年6月に開始されました。現在の日英間通商は日欧EPAに基づき行われていますが、英国がEUから完全に離脱すると同時に失効するため、日英両国政府は日英EPAの速やかな合意を目指してきました。当初は8月の合意を予定していましたが、英国の農産物(チーズなど)の関税等の協議に時間がかかり、1ヶ月遅れの9月11日に合意となりました。
英国国際通商省(DIT)は、日英EPAにより両国間の貿易取引額は152億ポンド(約2兆1千億円)増加するとみられ、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)加盟への重要な足がかりになるとしています。
英国政府はまた、CPTPP加盟で日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール等のアジア・パシフィック地域や、カナダ、南米諸国との通商条件をより改善したいとかねてから表明しています。
加えて大統領選挙の結果次第で米国がCPTPPへ加盟するようなことになれば、世界貿易の構図はさらに大きく変わっていくことでしょう。
DITはまた、日英EPA締結が英国のGDPを15億ポンドあるいは0.07%押し上げるとも予測しています。この数字を微細な効果と捉える向きもあるようですが、日英EPAは両国間だけでなくアジア・アフリカなども取り込んだビジネス連携に発展する可能性があると私たちは考えています。
日英EPAは既存の日欧EPAをベースにしながらも、より先進的でハイレベルな合意内容となりました。
両国政府から発表されている情報より、一部を抜粋します。
両国から発表された情報はまだすべてではありませんが、これらだけでも両国間の貿易や双方への市場参入を促進しようとする両国の強い意志が伝わってきます。
日英EPA発効によりさらに深まるであろう日英両国の経済関係を見据えながら、弊社は引き続き日本企業の皆様の日欧・日英間ビジネスの成功・発展をご支援してまいります。
【参考情報】
テムズバレー商工会議所ウェブサイトに掲載された、弊社代表 江口・ベイコンのコメント
https://www.thamesvalleychamber.co.uk/uk-and-japan-agree-historic-free-trade-agreement/
日英EPA大筋合意内容(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100092224.pdf
日英EPAの大筋合意結果について(鉱工業品関税)(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/file/kokogyouhin-kanzei-ari.pdf
日英包括的経済連携協定(日英EPA)農林水産品に関する大筋合意の概要(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/renkei/fta_kanren/uk/attach/pdf/jpuk_epa-1.pdf
日英包括的経済連携協定(EPA)酒類、たばこ、塩の市場アクセス交渉等に関する大筋合意の概要(財務省)
https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/international/epa/20200911_1.pdf
英国国際通商省(DIT)のプレスリリース
https://www.gov.uk/government/news/uk-and-japan-agree-historic-free-trade-agreement
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