23 June 2020
6月16日、英国政府はゼロエミッション車専用の「グリーンナンバープレート」を導入すると発表しました。これから販売される車両は勿論、既に走行中の車にも適用されます。超低公害車の導入加速を見える化することが主な目的ですが、地方行政にとっては、該当車を識別することで、駐車料金を割安に設定したり、ゼロエミッションゾーンでの走行を無料化するなどの優遇措置が取りやすくなります。
(ロンドン中心部では超低公害車以外は通行料がかかるULEV(超低公害車)ゾーンがすでに設定されています。)
今回の決定は、昨年10月から12週間にわたって行われた自動車メーカー、消費者グループ、政府・公的機関、ナンバープレート業界団体などへのコンサルテーション(*1 ) の結果を受けたものです。
乗用車、バン、タクシー、バイク、バス、大型トラックを対象とし、適用車両のナンバープレートには左端に緑のラインが入ります。(写真・図)しかしナンバープレートの使用における法的義務はありません。
英国は数年前からゼロエミッション車の普及に力を入れており、CO2削減と産業政策の重要項目としてきました。以前ご報告しましたように、2018年には世界初のゼロエミッション車サミットを開催、ゼロエミッション車の普及推進を2050年のカーボンニュートラル達成に向けた重要な柱と位置付けてきました。
先月5月に発表されたばかりの「欧州新型コロナ復興計画」においても、ゼロエミッション車の開発やEV(電気自動車)の充電インフラの拡張が重要項目として挙げられています。
この流れの中、政府はゼロエミッション車への移行加速のためディーゼル/ガソリン車の新車販売終了期限目標を現計画から5年繰り上げて2035年にすることも検討しているほか、バッテリー技術などゼロエミッション車用の研究開発費として1,200万ポンド(15億8,400万円 *2)の補助金拠出も発表しました。
新型コロナ危機の中にあっても、このように英国を含め各国がCO2削減目標の達成に向けて着実に前進していることは喜ばしいことです。弊社では、CO2削減に向けた英国・欧州の取り組みに注視して参ります。
*1「コンサルテーション」とは、英国政府が新たな政策や規制等の制定を目指す際、有識者、利害関係者や国民から意見を募り、その結果を政策や規制へ反映させる手続きをいう。
*2 換算レートは1ポンド=132円を使用。
Contains public sector information licensed under the Open Government Licence v3.0.